さんずいに歩くと書いて

ローラースケートで駆け抜けてく彼らのこと

俳句に目覚めた横尾さん

思いがけないところで才能が花開き、自分でも学ぶのが楽しくなったのかメキメキと頭角を現し、いつのまにか特待生となって番組の醍醐味であるランキングを高みの見物してる貴方。そう、貴方です横尾さん。

 
 
※途中から横尾渉を褒めちぎろう祭りになりますので、ご注意ください。
 
 
プレバトに出演することになった時、彼が活躍を見せるのはきっと料理や盛り付けなんだと思って疑わなかったし「料理をする横尾さんが見れる!あの手際の良さにうっとり出来る!料理するときの手や腕やあれやこれやを堪能出来る!」と見てもいないのに歓喜していたのを思い出します。
 
それまで料理する場面が見られたのは、キスブサの料理回と黄金伝説の無人島生活で魚を調理してた時くらいだったのではないでしょうか?貴重な調理シーン…。料理が得意だと自他共に認める横尾さんは、きっとプレバトで大活躍するはず…!そんな期待を募らせていました。逆に言えば、料理以外の査定については、未知数が故にそこまで気に留めていなかった訳で。「いろんな新しい横尾さんが見られる楽しみ」くらいの感覚。
 
しかしながら蓋を開けてみると、才能アリのオンパレードだと思っていた料理で、料理というものの難しさを思い知らされるような悔しい結果が続くんですよね。もちろん料理をする姿は、いつもながら生き生きしているし、とんでもなく素敵なんですが、思うように結果がついてこない…。得意分野だからこそ悔しさが溢れてる横尾さん見て、こちらも悔しい気持ちが募る。「今度こそ、今回こそ…才能アリ判定を!」と、横尾さんの努力が実ることを毎回テレビの前で祈っている訳で。(食パンの上にステーキ盛り付け回は、本当に嬉しかった)
 
 
そんな中あの一句を皮切りに、彼の俳句が「なんだか凄くいい」ことに気付かれてしまうんです。
 
 
サングラス 外して対す 海の青
 
この一句聞いた時、文字選びの格好よさに正直シビれたんですよね。「対す」って言葉の力強さ。なかなか「対する」を「対す」で切るような言葉の使い方しないし、到底私には思いつかない。「こういう表現が出来る人なんだ…」って完全に新しい魅力突き付けられましたよね。「なんなんだ…横尾渉って人なかなか奥が深すぎるじゃないか…」と、新たな横尾沼にずるずる引きずり込まれていく…
 
 
夏帽子 夜行列車の 網棚に
 
これなんて、昔を懐かしむようなノスタルジー溢れる情緒さえ感じましたよ。ひまわり畑のあの写真から、帰り道の寂しい光景と忘れられた麦わら帽子まで連想するなんて…夏の夜の静かな寂しさ漂いつつ「夏帽子」というワードの古風な優しさと可愛らしさ。嗚呼…横尾さんの想像する夏の夜の光景に溺れる…溺れたい(お馬鹿)
 
 
秋の夜の 酒に肴は 選ばざる
 
「肴」「選ばざる」
またもや、圧巻の言葉選びに感服。文字の並びだけみてるとアイドルが詠んだ句には到底見えない。渋い…渋すぎる。4、50代の多くを語らない恰幅の良い漁師が晩酌しながら詠んだかのよう。なんだか渋い上に人生の色々を悟った上の重々しい深さまで感じる。これが三十路手前の男の魅力なのか…好きだ(結局)
 
 
紅葉散る 京都は冷たき 雨の中
 
これなんてストレートでシンプルで、そしてやっぱりどこか切なさ漂う句で。この辺で、横尾さんの句は静かで哀愁漂うような句が多いな…と思ったりして。句の世界観は、陰と陽で言えば陰で。どこか優しさの漂う陰。影のある人っていいですよね…
 
 
湯につかり 人も猿も 佳き元旦
 
ハートフルな一句。ほっこりな一句。
そんな中も「佳き」という言葉選びは忘れない。
上手く言えないけど「佳き」が響き渡る。
佳き一句。
 
 
 
そして先日、この一句にたどり着く。
 
 
春愁の 言わで別れし 日の記憶
 
 
最初に聞いたとき、その言葉の巧みさに圧倒されたのか、凡人の私の脳内では、?マークが駆け巡ってました。「何が起こった?」北山さんも、難しくてよく分からないって言っていたけど、本当にそう。私も一度聞いただけじゃ、よく分からなかった。それからの解説と夏井先生のお褒めの言葉オンパレードの光景見てるだけでクラクラして倒れそうで。
 
青春のもどかしさが、五七五でこんなに伝わるものなのでしょうか?想いを伝えられず「今日もやっぱり言えなかった」と1人寂しく家路に着こうとしてる女学生の淡い心を、29歳のそこそこな大人の男が伝えてしまえるものなのでしょうか?恐ろしいとすら思える。
 
「春愁」「言わで別れし」「日の記憶」という畳み掛けてくるグッとくる言葉の海にダイブしたかのよう。俳句のことは何にも分からないから、私の感覚でしかないけど、潔くスッキリとしているけれど、ひとつひとつに重みを感じる言葉達。ほんとにどうやってその言葉を思いついて選んだのか聞きたい。きっと横尾さんは、番組で自らアピールしていたように本を読み、プレバトに出演する時のために日々勉強しているのでしょう。本業では「頑張って」とか「しっかり」なんてつい応援しながらの愛の鞭として勝手に言ってしまったりするけれど、最近の横尾さんの本業外での学びの姿勢が凄まじくておののく。凡人の私ですら凄いと思うのに、横尾さんの句の経過を判定して下さっている夏井先生までもが「努力が素晴らしい」と褒めてくだるくらいなんだもの。うん、勉強は大切。横尾さんの努力…素晴らしい。
 
そして、横尾さんの句は、やっぱりどこか切なげで寂しくて。今ではなく、少し懐かしい日の情景描写が上手くて…はぁ(たっぷりのため息)
 
 
もう、褒めすぎですよね私。
褒めすぎてるほんと、困った(笑)
まとめなきゃいけないのに、何が言いたいんだか分からなくなってきました。困った。
 
ともかく眠っていた横尾さんの俳句の才能が開花されたことに私も勝手に喜び嬉しく、それを発揮する場面が増えることを願うばかりです。俳句の月刊誌で、毎月課題を与えられて、一句詠むとか…いいじゃないですか。待ってます。是非、横尾さんに俳句の仕事を!!
 
これからも、横尾さんの詠む句の世界にひれ伏していきたい。本当にありがとうございますプレバト。ありがとうございます夏井先生。